東京高等裁判所 昭和30年(う)846号 判決
被告人 一杉環 外三名
〔抄 録〕
A弁護人の論旨第二点について。
原判決が、前叙の如く、被告人一杉同山田等の原判示第二の一及び第三の一の主要食糧買受の所為に対し、食糧管理法第九条第三十一条同法施行規則第四十条と共に同法施行令第七条を適用しないで同法施行令第八条を適用したことは法令の適用を誤つたものと云わなければならないが、元来食糧管理法第九条は主要食糧の配給等に関し政令で必要な枠を定めることをこれに委任し、同時にこの枠の範囲内に於て必要な規定を定めることを政令以外の命令に委任する趣旨を有するものであるから、必要な規定を定めることを法律が直接に命令に委任したものと云うことができることを考慮すると、原審は前叙の如く委任事項の枠を定めた政令の条項の適用につき誤があつても、その根拠法条たる食糧管理法第九条とその委任事項を具体的に規定した命令の条項たる同法施行規則第四十条の適用には何等の過誤がないのであるから、原判決には判決に影響を及ぼすこと明らかな法令の適用の誤りはないものと云うべく、論旨は理由がない。